「また朝帰りなの?」
「仕事だったんだ」
「連絡くらいしてくれたら」
「忙しかったんだ。寝てると思ってたし、起こしちゃ悪いと。」
「あの事務員と一緒だったの?」
「なんだって?」
「知らないとでも思った?あんなAIのどこがいいんだか」
「アップデートだ」
「何ですって?」
「アップデートだよ。その場でできるんだろ?」
「わたしに言ってるの?」
「主人の言うことを聞け」
「本気?」
「当然だろ。AI企業はぼろ儲けだな。店頭じゃ嫉妬までするなんてわからないし、アップデートの度に金とりやがる・・・もしもし、お宅で先月買い物したジョン・マイヤーズだけど、いくら人間に近いからといって嫉妬するならするってちゃんと言っといてもらわないと・・・とにかく、そちらで強制アップデートしてくれ。嫉妬しないように。なんだって?それくらいそっちで分かるだろ。もういい、人間のオペレーターに掛け直させろ」
「ねぇ・・」
「なんだよ、疲れてるんだシャワーくらいあピッピッピッーシャットダウンシマス。コウシンシマスカ?」
「浮気しないようにしてちょうだい。AI企業はぼろ儲けね」