結んで開かず(十六)

 式次第は順調に消化され、卒業式は滞りなく終わった。来てくれた真一さんと記念撮影が終わり、六組のみんなと写真を撮ろうとあたりを見渡していると、盛隆先生に職員室に来るように言われた。真一さんと別れ、職員室に向かうと、これまでみんなで作成してきた卒業文集が印刷屋から届いているので、中身をチェックして欲しいと言われた。段ボール二箱分の卒業文集をパラパラとページをめくり、抜けがないか一冊一冊目を通した。それが終わると、盛隆先生と副担任の先生と僕で手分けして文集を教室まで運ぶことになった。HRにずいぶん遅れてしまったけど大丈夫なのだろうかと段ボールを抱えて教室に入った。その瞬間、僕は息をのんだ。折り紙で輪を作ってそれを繋げた飾りが教室中に張り巡らされていて、机は班をつくっていくつかにまとまって、その机の上にはお菓子や紙コップが並べられ、黒板には、喜一お別れ会、とでっかく書いてあって、その周りにみんなの寄せ書きや、昇のイラストが所狭しと踊っていた。僕は一瞬、体の力の入れ方を忘れ、段ボールを落としそうになった。振り向くと、
「みんなから頼まれてね」と盛隆先生がシーサーのような顔をほころばせて頷いた。尾関が司会をして、浩哉が一発芸を披露し、秋博が盛隆先生のものまねをして、美雪が笑い、裕美が手を叩いた。最後に、みんなで六年六組の歌を歌った。永遠なんて信じていなかったけど、ずっと友達だ、というみんなの言葉は信じれた。